英字 M&A用語集
| APV法(Adjusted Present Value Method) | 企業価値算定の方法の一つ。APV法では、100%自己資本で調達した場合のキャッシュフローを算出し、それに負債の節税効果で発生したキャッシュフローを足し合わせて、事業の正味現在価値を算出する。 同じく企業価値算定方法であるWACCを使ったDCF法との違いは、資本構成へのアプローチにある。DCF法では資本構成が常に一定であることが前提となっているが、APV法では資本構成の変化を企業価値判定へ簡単に織り込むことが出来る。 従ってLBOや破綻企業の価値評価など、資本構成の大きな変化が予期される時には、DCF法ではなくAPV法を用いるべきであると言える。 APV法のデメリットとしては、負債増加による財務リスクが加味されない点が挙げられる。 |
| CA(Confidentiality Agreement) | 秘密保持契約の項を参照。 |
| CAPM(Capital Asset Pricing Model) | 資本資産評価モデルの項を参照。キャップエムと読む。 |
| DCF法(Discounted Cash-flow Method) | 企業価値評価のインカム・アプローチの一つで、企業が将来生み出すフリー・キャッシュ・フローを、一定の率(WACCを使うことが多い)で割り引いて現在価値を求める手法。企業価値評価では最もポピュラーな手法である。 投資によってキャッシュフローを得る場合、投資の実行から一定のタイムラグを必要とする場合が多い。また、キャッシュフローも数年から数十年間に渡って分散して得られることも多々ある。このような投資と回収に時間差があるケースで事業の収益性を判断使用とする場合、投資金額と成果金額を比較するよりも、将来の金額を現在価値に換算して比較する方が合理的だ。 将来得られる金額を現在価値に換算するときに使用するのがDCF法だ。 DCF法を使ったキャッシュフローは、以下の式によって求めることが出来る。 現在価値=〔将来のキャッシュフロー/(1+資本コスト)^ 年数〕。 |
| EBIT(Earnings before Interest and Taxes) | 利払い前の税引前当期利益のことで、経常利益に支払利息を加えて戻し、すでに加えられている受取利息を差し引くことで求めることができる。EBITは創業間もない企業や大企業の事業部ごとの収益率を示すときに使用されることが多い。 EBITの算出式は以下のとおり。 EBIT=税引前当期純利益+支払利息-受取利息 EBITの算出式は他にもいくつかあるため、使用にあたっては算出方法を明記すべきである。 |
| EBITDA(Earnings before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization) | イービットディーエー、イービットダー、またはエビータと読む。税引前利益に支払利息、固定資産の減価償却費を加えることで求めることができる。 近年、EBITDAはPL上の利益と並ぶほど重視されるようになった指標で、特に複数の国に拠点を持つ企業の投資評価に利用されることが多い。なぜならEBITDAは法人税や減価償却、支払金利が差し引かれているため、それぞれの国に固有の会計基準や金利水準の影響を最小限にとどめることが出来るからだ。 一方、償却費が含まれないEBITDAは設備投資やM&Aで発生した損失を十分に反映するとは言えない。従ってEBITDAを用いた企業価値評価は、実態から乖離した過大評価になる危険性を持っている。 |
| EPS(Earnings per Share) | 一株当たり利益。当期純利益を発行済株式数で割って求める。 日本の会計基準では、発行済株式数から自己株式数を、純利益からは「普通株主に帰属しない額」(剰余金の配当における優先配当額など)を差し引くことが求められている。また、発行済株式の他に潜在株式が多数存在し、EPSに大きな影響を与える可能性がある場合、潜在株式調整後EPSを提示しなければならない。潜在株式には、ストックオプションや転換社債型新株予約権付社債などの権利を行使した際に発生する株式が当てはまる。 EPSは、PERの算出に使用される。 PER=株価/EPS |
| EVA(Economic Value Added) | 米SternStewart社が開発(商標登録)した経営指標で、経済付加価値と訳される。EVA = NOPAT(Net Operating Profit after Tax) – 投下資本 x WACC の計算式により、ある事業が株主が期待する以上の利益(価値)を生んでいるかを測る。EVAがプラスであれば、株主価値を増大させており、マイナスであれば株主価値を毀損していることになる。 |
| FCF(Free Cash Flow) | フリー・キャッシュ・フローの項を参照。 |
| FMV(Fair Market Value) | 適性市場価格の項を参照。 |
| IRR(Internal Rate of Return) | 内部収益率の項を参照。 |
| LBO(Leveraged Buy Out) | 企業買収手段の1つで、買収対象企業の資産あるいは将来キャッシュフローを担保にした負債(借入金・債券)を買収資金にして行われるもの。買収資金に負債を利用することで手持ちの資金が少ない場合でも大規模なM&Aを利用できる上、負債のレバレッジ効果で大きなキャピタルゲインを狙うことも出来る。 LBOの成功には二つの要因が必要であると言われている。第一に被買収企業の流動資産を充当するなどして、迅速に負債を返済することが可能であること。調達された負債はいずれ返済されなければならない。巨額の負債によって発生するコストは買収元企業にとって無視し得ないため、被買収企業の資産を返済に充てることが出来なければLBOの成功は危ぶまれる。第二にLBO成功後に被買収企業の価値を向上するか、少なくとも維持できる公算が高いこと。買収元企業の規模に比して莫大な額の負債を調達するLBOでは、負債の返済に被買収企業のキャッシュフローを当てにせざるを得ない。 |
| M&A(Mergers and Acquisitions) | Merger は合併、Acquisition は取得(買収)の意で、「企業の取得」を総称する呼び名として用いられている。二つ以上の企業が集合して一つになることを「合併」、取得した企業を子会社化することを「取得(買収)」と言うが、広義には資本提携や大規模な業務提携もM&Aにカテゴライズする向きもある。 M&Aは新規事業参入やグループの再編、市場再編、企業救済などの目的を持ち、具体的には株式や事業の授受によって実行される。近年の日本では、オーナー引退に伴う事業承継対策として行われるM&Aが増加している。 |
| M&Aブティック(M&A Boutique) | M&Aを専門的に手がけるプロフェッショナルファームのこと。「ブティック」とは何らかの専門領域に特化したことアドバイザリーファームやコンサルティングファームのことで、この場合はM&Aがその専門領域にあたる。顧客のM&Aをセルサイド若しくはバイサイドからアドバイスし、企業買収や再編・統合などを総合的にサポートしていくケイパビリティを持つファームのこと。 |
| MBI(Management Buy In) | 企業買収の一形態で、買収後に外部から経営者を招きいれて企業価値向上に従事させる手法のこと。ファンドや金融機関により、企業再生スキームの一環として用いられることが多く、その場合株式公開や、MBOを含めた企業(事業)譲渡が投資の出口戦略とされる。 M&A後も引き続き現行経営陣によって事業が継続される点はMBOと同じだが、最終的な経営権が投資元にあるという点、そしてその経営権を根拠にした投資元の強力な経営介入があるという点が異なる。 |
| MBO(Management Buy Out) | 企業買収の一形態で、企業の経営陣が株主から株式を買い取って経営権を取得する手法のこと。ファンド傘下にある企業や大企業の子会社、あるいは事業部門のトップが独立を目指して実行される例が代表的。その場合、自己資金だけでファイナンス出来ることは稀なため、LBOの手法が用いられることが多い。 なお、株式の譲渡先が経営陣ではなく従業員となるケースをEBO(Employee Buyout)、経営陣と従業員双方となるケースをMEBO(Management and Employee Buyout)と呼ぶ。 |
| NDA(Non-disclosure Agreement) | 秘密保持契約の項を参照。 |
| NPV(Net Present Value) | 正味現在価値の項を参照。 |
| PAI(Post Acquisition Integration) | 企業買収後のオペレーション、管理業務、人事制度、情報システム等の統合作業のこと。M&A実行前に想定していた統合効果を現実のものとするために行う作業全体のことを指す。 M&Aプロセスではディールの成立のみに注目が集まり統合作業は軽視されがちだが、M&Aの成功如何はむしろこのPAIやPMIの良し悪しに懸かっているといっても過言では無い。そのため、M&A戦略の立案に当っては統合プロセスの立案にも十分時間を割き、万全な計画を策定しておくべきである。 |
| PBR(Price Book-value Ratio) | 株株価純資産倍率のこと。株価が1株当たり純資産(株主資本)の何倍まで買われているのかを示すために、株価を1株当たり純資産(株主資本)で除して求められる指標のこと。アメリカではP/Bとっ表記するのが一般的である。 PBRが1倍であるときに純資産と時価総額が等しくなることから、PBRが1倍をきる場合には、企業を清算して資産を分配した方が株主にとっては有益である可能性がある。 |
| PER(Price Earning Ratio) | 株価収益率のこと。株価が企業の収益の何倍まで買われているかを示すために、その株価をEPS(一株当たり利益)で除して求められる指標のこと。アメリカではP/Eと表記するのが一般的である。 PERが高いほど利益に比べて株価が割高であることを示す。翻って言えば、PERの高さは今後の利益向上への期待の現われであると捉えることもできる。 |
| PMI(Post Merger Integration) | 企業合併後のオペレーション、管理業務、人事制度、情報システム等の統合作業のこと。M&A実行前に想定していた統合効果を現実のものとするために行う作業全体のことを指す。 M&Aプロセスではディールの成立のみに注目が集まり統合作業は軽視されがちだが、M&Aの成功如何はむしろこのPAIやPMIの良し悪しに懸かっているといっても過言では無い。そのため、M&A戦略の立案に当っては統合プロセスの立案にも十分時間を割き、万全な計画を策定しておくべきである。 |
| ROA(Return on Asset) | 総資産利益率。企業の利益を総資産で除して求められ、企業が資産をいかに有効利用して、利益に結び付けているか収益性を示す指標。分子に用いられる利益は営業利益、経常利益、純利益など様々であるため、算出にどの利益を使用したのかを併記して用いるべきである。 ROAは、「売上高利益率×総資本回転率」でも算出できる。売上高利益率が収益性、総資本回転率が効率性を表す指標であるため、ROAは収益性と効率性を表す指標であると考えられる。 |
| ROE(Return on Equity) | 自己資本利益率。企業の利益を株主資本で除して求める期間利益の割合のこと。企業が株主資本をいかに有効利用して、利益に結び付けられたかをあらわす指標。株主資本利益率とも呼ばれるが、2006年の会計基準の変更で「自己資本」と「株主資本」の差異が明確に定義されたため、正確には自己資本得利益率と呼ぶべきである。 また、ROEは売上高当期純利益率と総資産回転率と財務レバレッジを掛け合わせても算出することが出来るため、ROEの向上を目指す場合、具体的にはその三つの指標を向上させる方法を探ることになる。 |
| TOB(Takeover BidまたはTender Offer Bid) | 株式公開買付の項を参照。 |
| WACC(Weighted Average Cost of Capital) | 加重平均資本コストのこと。資金調達に伴うコストを債務等の他人資本、出資金等の自己資本に分け、それぞれの資本構成の割合に応じて加重平均したもの。 他人資本は返却期限や返却方法が予め規定されるうえ債務整理でも優先して弁済を受けることが出来ることから、投資側は低リスクで運用することが出来る。そのため、他人資本は調達あたって高いプレミアムを支払う必要が無い、低コストで調達できる資本であると言える。一方、自己資本には、他人資本に見られるような優遇措置は存在しないため、比較的高いリターンを必要とする高コストな資本であると言える。このように資本のコストは出自に大きく影響されるため、ある企業の資本コストを正確に知には他人資本と自己資本を加重平均する必要がある。具体的には、加重平均資本コストは以下の式を使うことによって求めることが出来る。 加重平均資本コスト=有利子負債残高×負債利率×(1-実効税率)+自己資本残高×自己資本要求利回り 加重平均資本コスト(WACC)は、投資判断に多く使用される。その場合、投資先プロジェクトの内部収益率(IRR)と加重平均資本コスト(WACC)を用い、前者から後者を引いたものがそのプロジェクトの収益力であるとみなすことが出来る。 |









