スティール・パートナーズがサッポロへの買収提案を撤回。
米投資ファンドのスティール・パートナーズがサッポロホールディングスへの買収提案を取り下げた。スティール・パートナーズは04年からサッポロの株式を買い進めており、現在は18.6%を保有している。07年2月にサッポロ株の保有率を66.6%まで上げる買収計画をサッポロ側に提案していたが、サッポロの経営陣はこれを拒否。その後、スティール側が目標保有率を33.3%まで引き下げるなどして交渉を進めてきたが、結局最後までサッポロ側が提案をのむことは無かったようだ。
スティールがサッポロ買収を断念した原因は、サッポロ経営陣の強硬な反対姿勢だけではない。サッポロ経営陣の強硬姿勢は買収を提案した当初からのことであるため、今になってそれを理由に提案撤回に至ったというのもおかしな話だ。本当の原因は、次の二つだろう。第一に買収を提案した当初と比べてサッポロの魅力が減退したこと、第二に金融危機の影響で資金調達が困難になったことだ。
同業他社に比べ、サッポロの業績は思わしくない。主力の国内酒類事業は四年連続で売上高が前年割れした上、とうとう昨年にはビール事業でもサントリーに抜かれて業界四位に後退した。ビール業界首位で昨期に過去最高益・最高売上を達成したキリンHDや海外M&A戦略が軌道にのってきたアサヒと比較すると、心もとなく感じられるのが現状だ。
また、スティールの側にもサッポロ株を買い進められない事情がある。金融危機でスティールの資産が毀損した上、信用収縮で従来どおりの資金調達が困難になったのだ。そもそもサッポロ株そのものが、スティールにとっての頭痛の種になっていると言う面もある。サッポロの株価は08年1月の940円から今日(2月18日)には350円以下にまで値を下げているため、スティールは巨額の含み損を抱えていることになる。皮肉にも、サッポロ株の保有がスティールのサッポロ買収の足を引っ張っているわけだ。
買収をあきらめたとは言え、スティールがサッポロ株を手放す決断を下したわけではない。今後もサッポロ経営陣とスティールの争いは続きそうだ。






