キリンによるコカ・コーラ・アマティルの買収が頓挫。
キリンホールディングスは連結子会社でオーストラリアビール大手のライオンネイサンによるオーストラリア飲料最大手のコカ・コーラ・アマティル(CCA)の買収交渉を打ち切ったと発表した。交渉決裂の原因は、直接的には買収価格が折り合わなかった点にあるようだ。
昨年11月にキリンはCCAに、総額80億オーストラリアドルで買収を提案したと発表していた。当初発表されていた買収のスキームは、ライオンネイサンがキリンへの第三者割当増資で調達した資金をもとにCCAの全株式を取得し、キリンがCCAを取得したライオンネイサンの株式47.5%を保有する、というものだった。
2007年11月には子会社でオーストラリア乳業最大手のナショナルフーズが同二位のデアリーファーマーズを買収するなど、近年、キリンはオセアニア地域での事業強化を進めている。しかし、今回のCCA買収の失敗は、キリンのオセアニア地域でのプレゼンス強化に不安を覚えさせる結果となった。一方、国内ビール業界でキリンと鎬を削るアサヒも積極的にM&Aを活用した海外展開を進めている。中国のビール大手に続き韓国のビール大手の買収を発表するなど、こちらはアジア圏でのプレゼンス強化を進めている。
日本の食品マーケットは、人口の漸進的な減少に併せて少しずつ縮小していくことが確実視されている。キリンやアサヒのような日系の食品大手企業が成長途上の海外市場を迅速に確保するためには、M&Aはこの上ない手段であると言える。今回の買収交渉は決裂してしまったが、それがキリンのM&A戦略を停滞させる結果にはならないだろう。







