アステラス製薬が米バイオベンチャー企業の買収を提案。

 アステラス製薬は、米ナスダック上場のバイオテクノロジーベンチャー企業CVセラピューティクスに対して10億ドルでの買収を提案したと発表した。一株あたり16ドルでの取得となるが、CVセラピューティクスの26日付終値は11.35ドル。41%を上乗せした価格での買収提案となっている。同社は07年12月期で売上高は8300万ドルに対し1800万ドルの赤字を計上しており、抜本的な経営方針の転換は避け得ない状況だった。しかし同社はアステラス製薬からの買収提案を拒否しており、今後敵対的買収に進展する可能性もある。

 2010年問題への対応で大規模な淘汰が予想される製薬業界各社が生き残りを図るなら、製品ラインナップの拡充と成長領域への投資は非常に有益な対抗策だ。2008年には「プログラフ」、2009年には「ハルナール」と、主力商品の特許切れを控えるアステラス製薬にとってもこの状況は同じだ。そのアステラスにとって、CVセラピューティクスは旨味の多い買収対象であると言える。なぜなら、CVセラピューティクスは心症治療薬「ラネクサ」の特許を持っているため、アステラス製薬はこの製品を手に入れることによって病院向け循環器分野を強化することができる。また、CV社は分子レベルで薬効の作用等を分析して候補物質を探索する技術に優れたバイオベンチャー企業であるため、自社の新薬開発能力を向上させる効果も期待できる上、新領域進出への足がかりとすることも出来る。

 ファイザーによるワイス買収に続き、製薬業界でのM&Aが相次いで報じられている。2010年問題を控えた製薬業界の再編は、まだまだ続くだろう。