ファイザーがワイスの買収を検討。売上高700億ドル超の製薬会社が誕生か。

 製薬業界最大手の米ファイザーが、同じくアメリカの製薬大手ワイスの買収を検討していることが明らかになった。両社は数ヶ月前から具体的な交渉に入っているようだ。両社の年間売上高を単純合計すると708億ドルに達し、英グラクソ・スミスクラインや仏サノフィ・アヴェンティスといったヨーロッパのライバルを大きく引き離すことが出来る見込みだ。買収総額は約680億ドルに上ると見られており、製薬会社のM&A規模としては2000年にファイザーがワーナーランバートを買収して以来の規模となる。

 製薬業界の大手各社はジェネリック医薬品(ジェネリック医薬品)との競争に頭を悩ませている。ファイザーの場合、主力商品で売上高の四分の一を占めるコレステロール降下剤「リビトール」の特許切れを2011年に控えている。127億ドル(2007年)と世界一の売上高を誇る医薬品であるリビトールの特許切れはファイザーにとって致命的な問題となりうる。特許が切れた製品市場にはジェネリック医薬品の投入が解禁されるため、各社の投入した同じ成分を持つ製品同士で激しい競争となる。その結果、特許が切れると同時にその製品が生み出す利益が激減することになるからだ。そこでファイザーは、肺炎予防ワクチン「ブレブナー」など幅広い商品群を持つワイス社を買収することで製品ラインナップを拡充し、「リビトール」に依存しすぎていたプロダクトポートフォリオをよりバランスの取れた形へと再構築したいということなのだろう。

 近年医薬品の開発費は加速度的に増加し、現在では一種類の開発につき数百億円から一千億円の資金が必要だと言われている。また、2010年前後に大型医薬品が一斉に特許切れを迎えるため(2010年問題)、大手各社も収益の確保が可能かどうか懸念が持たれている。製薬業界のM&Aは、こうした問題を解決するために為される傾向が強まっていくだろう。