フィアットがクライスラーの株式35%を無償で取得。
伊自動車大手のフィアットと米「ビッグスリー」の一角であるクラースラーが業務・資本提携の締結を発表した。発表内容によると、フィアットがクライスラーの株式35%取得する見通しだ。フィアットは、株式取得の対価としては一切現金を支払わない。つまり、株式の35%を無償で取得したことになる。また、フィアットはその後の状況の推移と条件次第で、2500万ドルで20%株式を追加で取得することが出来るオプションも保有している。このオプションが行使されれば、フィアットはクライスラーをわずか2500万ドルと引き換えに買収することになる。10年前には3兆円以上もの値が付いていたクライスラーの経営権は、この十年で99.9%以上も値を落としたわけだ。
クライスラーは、同じく米「ビックスリー」のゼネラル・モーターズと共にアメリカ政府から緊急融資を受け入れ、何とか資金繰りを繋いでいる。しかし依然として財務状況は厳しく、追加で政府支援を受けないことには破産の可能性も現実味を帯びたものになってくる。更に政府支援を受けるには、2月17日までに経営再建計画を提出し、3月末まで逐次進捗状況を報告しなければならない。内外に危機的要因が山積される中、現実に実行され得る経営再建計画を策定するには、現状をドラスティックに転換する大きな変化が必要だ。クライスラーは、フィアットとの提携がこの変化となることを期待している。少なくとも、変化の切欠くらいは生むものでないのなら、倒産の危機に瀕するクライスラーにとっては焼け石に水だ。
フィアットとの業務・資本提携で、クライスラーは苦境から脱却することが出来るのだろうか。これには、懐疑的な見方も多い。クライスラーの再建は、ダイムラーやプライベートエクイティ(サーベラス・キャピタル)にも果たせなかった。それがフィアットになら出来るというのは、確かにあまりにも短絡的なのかもしれない。









