セイノーHDが西武運輸買収で基本合意。

 セイノーホールディングスは19日、西武ホールディングス傘下の運輸会社西武運輸の買収で基本合意したと発表した。今年三月を目処に、西武ホールディングスが西武運輸の株式を100取得し、完全子会社化する。当面は「西武鉄道」の名称を残し、持ち株会社傘下の事業会社として扱う見込みだが、長期的にはセイノーホールディングスの主力運輸会社である西濃運輸との合併も視野に入れているものと思われる。買収額については今後調整することになるが、最終的には200億円~300億円程度になる見込みだ。

 西武運輸の2008年3月期決算は売上高838億円に対し、2億円の営業赤字を計上していた。更に景気後退を背景に運輸需要が激減した2009年3月期では、更なる営業赤字の拡大は必至で、M&Aを含めた何らかのドラスティックな転換も避けられないという様相だった。

 一方、運送業界4位のセイノーホールディングスの2008年3月期決算は売上高4519億円に対し99億円の営業利益を計上しており、比較的堅調な状況と言える。そのセイノーが西武運輸買収に踏み切ったのは、西武運輸の持つネットワークと業務ケイパビリティを高く評価したからだ。セイノーは企業間物流をコア事業と位置づけ、ネットワークの拡充するために、共同運航やM&Aを含めたあらゆる選択肢を検討してきた。そんな中、セイノーが比較的手薄としてきた関東と九州圏強固なネットワークと航空貨物事業に強みを持つ西武運輸は、事業を補完できる理想的な買収先だといえる。また、M&Aの副次的効果として、ネットワークの効率化や物流拠点の統合によるコスト削減も見込むことが出来る。

 近頃、各業界の大手による経営統合や買収が相次いで報道されている。景気後退のネガティブな影響であることは疑いようも無いが、翻って言うと、今の時期は事業の無駄を削ぎ落として生産性を増加させる好機であるとも考えられる。なかなか景況に好転の兆しは見えないが、悲観的になりすぎることなく攻めの姿勢で本業の利益拡大を図ることが重要だ。