2008年に日本企業が関わったM&A総額は前年比微減に留まる。
日本企業が関わった2008(1月~12月)のM&A金額は1616億ドル(約16兆1600億円。不動産取得案件を含む)と前年にあたる2007年に比べ、3.8%減少した。金融市場の混乱や信用収縮を背景に世界のM&Aが縮小するなか、日本企業による海外企業のM&Aや資本提携が過去最高の金額となったことにより、全体での減少率は小幅に留まった。
トムソン・ロイターとレコフによると、世界全体のM&Aは08年1-12月期で2兆9359億ドルと前年同期比で29.5減少した。中でも資金調達の悪化を背景として、海外投資ファンドや企業による日本企業へのM&Aが減少著しく、総額で5300億円と前年より82.4%減となった。一方で日本企業の海外企業買収は740億ドル(約7兆4000億円)と、06年に記録した過去最高(442億ドル)を上回り、日本企業のM&A全体の数字を押し上げる原動力となった。
日本企業の海外の買収案件は、三菱UFJフィナンシャル・グループによる米モルガン・スタンレーへの出資や野村證券によるリーマン・ブラザーズの欧州・アジア部門買収など、金融分野で大きな動きがあった他、キリンホールディングスの豪子会社、ナショナルフーズによる酪農大手デアリーファーマーズ買収といった食品分野や、第一三共によるインドのランバクシー・ラボラトリーズ買収のような薬品分野、三菱レイヨンによるMMAモノマー大手の英ルーサイト・インターナショナルなど化学分野でも増えた。豊富な手元資金や円高を背景に、新たな成長市場を開拓したり新規分野の強化を目指すなど、戦略的な海外企業のM&Aが相次いだ様相だ。M&Aの主役は、ファンド等のファイナンシャル・バイヤーから事業会社等のストラテジック・バイヤーへ完全に移行した感がある。
海外勢の日本企業に対するM&Aは、件数ベースでも前年の309件から198件に減少。米系投資ファンド、スティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンドの江崎グリコ株全株売却をはじめ、日本市場から撤退する動きも目立った。ただ中国や韓国などアジア勢は78件と、増加した。









