キリン堂とアライドハーツHDの経営統合が協議中止に。

 関西の大手ドラッグストア、キリン堂とアライドハーツ・ホールディングスは9月から進めていた経営統合に向けた協議を中止すると発表した。
統合が成立していた場合、関西では市場シェア20%を持つ業界7位のドラックストアが誕生するはずだった。だが、米国発の金融危機に端を発した一連の株価低迷を受けてキリン堂の時価総額が大幅に下落したため、当初目指していた「対等な」合併が困難になり、統合比率で合意できなくなったことが背景にあるという。

 ただ、統合協議不調をもたらした要因は株価の下落だけではない。最近の消費冷え込みが、この原因となった側面もある。

 アライドハーツの既存店小売部門の売上は、ここ数ヶ月前年比4%以上の下落が続いている。特に名古屋市に地盤を持つ子会社ジップドラッグの業績下落は深刻で、来年度には不採算店13店の清算を決定している。一方、同じく既存店売上で前年比割れを続けるキリン堂は、アライドハーツ側ほど大規模に不採算部門の処理を行うつもりは無い。そこで見直す事業の選別で両社に温度差が生じ、経営統合に向けた大きな障害となっていたようだ。

 しかし、ドラッグストア業界では来春以降の大衆薬販売の規制緩和に伴って競争が激化することは必定の状況だ。両社の経営統合は失敗に終わったが、他の大手を交えて別の形でM&Aを試みる可能性は大いにある。

 このように、需要の落ち込みの影響を受けているのは外需型産業のみでは無くなっている。食品、小売、流通といった内需型産業も、これに対応する手立てを早急に立案しなければならない時期に来ている。