リクルート、民放三社に続きテレビ朝日とも業務・資本提携。
テレビ朝日とリクルートは12月10日、業務・資本提携に合意したと発表した。リクルートがテレビ朝日株式の2.1%、金額にして25億2300万円分を朝日新聞社とそのグループ会社から11日付けで取得する。テレビ朝日も同程度の額のリクルート株を取得する予定だ。リクルートが放送局と業務・資本提携を結ぶのは2007年のTBS、フジテレビ、日本テレビに続き四社目だ。
リクルート社のニュースリリースによると、二社の業務・資本提携は「変化していく情報流通手段に対応するため、新たなサービスの開発に注力することを目的」としたものだという。確かに情報誌とネット媒体を主力とするリクルートとテレビ放送の提携は、魅力的なメディアミックスに見える。だが、これまでのTBSやフジテレビ、日本テレビとの業務・資本提携から特に魅力的なサービスが生まれた経緯は無い。それにも拘らず、なぜテレビ朝日とリクルートは業務・資本提携を締結したのだろうか。
テレビ朝日側からすると、安定株主を確保できた点に今回の提携のメリットがある。テレビ朝日と朝日新聞社が今年6月に株式の相互保有を決めた際、来年以降の朝日新聞社の株主総会でテレ朝が議決権を行使できるよう、朝日新聞社が保有するテレ朝株の比率を、衛星チャンネル保有分を含め25%未満に下げることで合意している。つまり朝日新聞社はテレビ朝日株を相当数売却する必要があるが、この売却分の一部を安定株主であるリクルートが保有することで、テレビ朝日は経営の安定性を引き続き保持できることとなる。
リクルート側にとっても今回の提携の目的は安定株主を確保することにある。昨年からリクルートは電通、博報堂や民放数局と相次いで株式の持ち合いを発表しているが、この背景には06年の会社法施行で子会社のリクルートエージェントがリクルート株を手放さなければならなくなったことがある。積極的にM&Aを活用した事業拡大で巨額の有利子負債をやっと完済し、高収益体制を確立したリクルートは、外部の株主からの経営介入を嫌う傾向が強い。そのため株式を小分けにしてシナジーを見込める安定株主に分配し、経営権の安定と静かな株主、その双方を手に入れようと考えているのだろう。







