TOB(株式公開買付)の法的要件
証券取引法では、買収対象企業が株式公開企業である場合に、その買収対象企業の発行済み株式数の3分の1超を市場外で取得する場合には、TOB(公開買い付け)を使い、その買付者に買付けに係る買付期間、買付数量、買付価格等の情報をあらかじめ開示することを義務付けている。一般に、発行済み株式数の3分の1を超える持分比率は、商法上は特別決議の拒否権を持つことが出来るため、このようなまとまった数量の株式売買をする場合には、買収価格は株価に一定のプレミアムを上乗せした価格で取引をするのが通常である。TOB制度の趣旨は、株主に対する平等待遇を保証することにより投資家保護を図ることである。
TOB制度では、買付け側に以下のような制限や規制を課している。
・公開買付期間は、20日以上60日以内に設定する。 ・全ての株主に対して同じ価格・条件で買付けの勧誘をする。 ・買付け側は、公開買付期間中、TOB以外の方法で株式を取得しない。 ・買付条件については、株主に不利な条件変更。 (価格引下げ、期間短縮、買付予定株数の減少等)は原則しない。 ・売り手側株主は、いったん申し込みをしても撤回することが出来るが、 買付け側は開始された買付けについて撤回することはできない。なお、買付け側には以下のような制限を設けることができる。
・応募株数が買付予定株数に満たないときは、 公募株数の全部の買取りを行わないこと。 ・応募株数は買付予定株数を超過する場合には、 それを超える部分の全部又は一部の買取りをしたいこと。したがって、応募状況からみてその目的とする株式数の取得が達成できないと判断すればTOBを取りやめることも出来るし、上限の設定によって買収予算内での株式数獲得が可能となる。
(参考文献:渡辺章博 井上光太郎 佐山展生「M&Aとガバナンス」中央経済社)










