M&Aの潮流

従来のM&A観

日本におけるM&A(企業の合併及び買収)の世界でもパラダイムシフトが起こっている。これまで日本でM&Aと言えば、一部の企業の特殊な戦略と考えられてきた。また、従来は、M&Aによって買収を繰り返し、企業規模を拡大してきた会社は、金に物を言わせて手っ取り早くビジネスを手に入れるというネガティブな印象を持たれていた。

会社を売却する側から見てみると、もともと日本では“継続は力なり”という言葉もあるように、同じ事をやり続けることが一つの美徳のように考えられてきたこともあり、会社を売り渡すという発想はあまりなかった。

~買収~変化してきた経営者のマインド

しかし、昨今経営には益々スピードが重視され、M&Aに関する法整備も進み、経営者のマインドも変化してきた。
今やほとんどの上場企業が、スケールメリットの追求、新規事業への進出、シナジーある周辺分野へのビジネス拡大の手段としてM&Aによる買収を考えている。

~売却~変化してきた経営者のマインド

また売り手側としては、最近は後継者不在の問題もあり、会社を譲渡するオーナー経営者が多くなっており、そして若いオーナー経営者の間でも、ビジネスが上手くいっているにも関らず、一旦会社を売却し、それで得たお金で別のビジネスを始めるというケースが増えている。このような起業家は米国ではserial entrepreneur(連続起業家)と呼ばれているが、このような起業家が日本でも増えてきた。このような状況下、M&Aは増加を続けている。

IPOのハードルが高くなり、EXITの手段としてM&Aが注目

さらに近年の上場企業のいくつかの不祥事の反省もあり、IPO(株式上場)の実質的なハードルが高くなってきている。
元々IPO出来たとしても創業経営者は保有株式の一部しか放出することができず、M&Aによる売却の方が得られるキャッシュが多くなる場合が多い。
それであればわざわざ2-3年かけて内部統制整備に時間を費やし、ハードルが高くなった不確実なIPOを目指すのではなく、EXIT(出口)の手段として企業売却を考える創業経営者が今後益々増えると思われる。

上場企業だけでなく中小企業でもM&Aが活用

従来一部の企業の特殊な戦略と考えられてきたM&Aによる企業買収又は売却が、今や全ての企業(買い手であるか売り手であるかに関わらず)において企業戦略の選択肢の一つとなってきている。 そしてそこでは敵対的なM&Aというのは極一部であって、99%以上は友好的なM&Aである。
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