M&Aと税務(事業譲渡の場合)

M&Aに関連する税務は、非常に複雑であるため、詳細な説明は避け、以下に実務上ポイントとなる事項を述べることにする。

事業譲渡に関する税務

営業譲渡とは、単なる営業用財産の譲渡ではなく、これら有機的一体として機能する組織的財産の一括した譲渡であると定義される。

税法上の基本的な考え方は、事業譲渡といっても、結局、資産の個別の譲渡の集合を認識せざるを得ないので、買収会社では、譲渡会社の有する資産または負債を適正な価額で譲受けしているかどうか、他方、譲渡会社については反対に、譲渡した資産または負債が適正な時価かどうかが問題となる。

つまり、評価の適正性が問題となるのであり、その評価が適正に行われていない場合には、低廉譲渡または高額譲受として寄付金課税が生じることになる。

特に多額の営業権が生じる場合には注意が必要である。営業権の評価については、税法上規定がなく、計上された営業権に経済的な合理性があるかどうか、問題とされる場合が多いからである。

営業権の償却期間は、商法と同様、5年以内均等償却となっている。

なお、事業譲渡は資産の個別の譲渡としてその資産が、消費税法上非課税とされる土地や建物といったもの以外の場合には、消費税が課税される。


(参考文献:森信静治・川口義信・湊雄二著「M&Aの戦略と法務」日本経済新聞社)

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